VS抜け毛

抜け毛と徹底的に戦います

漢方の抜け毛対策で期待できる六味丸

抜け毛が増える直接の原因には頭皮トラブルや栄養不足から毛母細胞が弱ることなどが挙げられますが、その背景には身体全体の不調がかかわっています。加齢によって増える抜け毛は、特に女性の場合ホルモンバランスや自律神経の乱れが引き起こす血のめぐりの悪さや冷えが影響していると考えられており、その改善に役立つ漢方薬が注目されています。

その一つが六味地黄丸とも呼ばれる六味丸です。

漢方の観点から見る抜け毛の原因

抜け毛の原因を漢方の観点から見た場合、大まかに分けて3つのタイプに分類されます。血液の不足を差す血虚、腎の低下を示す腎虚、熱が過剰な状態の湿熱です。東洋医学の考え方では、人体は気・血・水という3つの要素が常に調和を保つことで健康維持が実現するとされ、気は人体を活動させる目に見えないエネルギーで、血は血液、水はリンパ液など体内の水分を示しています。

気・血・水がバランスを崩した状態がそれぞれ血虚・腎虚・湿熱という症状となってあらわれ、抜け毛をはじめとするトラブルを招くとされます。西洋医学での抜け毛治療では直接原因の1つ男性ホルモン等に直接働きかける薬が処方されますが、漢方薬はダイレクトな抜け毛対策ではなく、体質改善の方向からアプローチします。

そのため六味丸をはじめとする抜け毛対策に役立つとされる漢方薬はいずれも即効性はなく、長期間服用してじっくり体質改善を行い、抜け毛が増えない健康な身体を手に入れるといった方法になります。六味丸を飲み始めて半月ほど経っても効果がないからと服用を中止すると、それまで少しずつ得られてきた効能が無駄になってしまいます。

漢方薬による治療は長期戦になることを認識しておかなければなりません。

抜け毛に効く手のツボはどこ?

体質によって異なる種類が処方される漢方薬

漢方薬には同じ効果効能を示す薬が数種類あることが少なくなく、名称が似通っている薬もあり、初心者には紛らわしいイメージがあります。同じ効果効能をうたいながらも使われている生薬が違うことで別々の薬になっているのは、同じ症状でも体質によって処方される薬が変わってくるためです。

東洋医学では人それぞれの体質の違いを重視して治療を行いますが、大まかな目安として虚証と実証、その中間の中庸という体質で判断し最適な薬を選びます。暑がりの熱証・寒がりの寒証という違いも処方が変わるポイントです。

六味丸をはじめ漢方薬は本来漢方医や漢方薬剤師が患者の顔色を診たり、脈診や舌診を行って体質に合ったものを選びますが、ドラッグストアなどでも購入できる漢方薬を手軽に利用したい場合、ある程度自分で証を判断できるようになっておく必要があります。

簡単な見方では虚証タイプの人は青白い顔で血圧が低く、食欲不振で体力がなく寒がりで疲れやすいという文字通りの虚弱体質です。実証タイプは赤ら顔で血圧が高めでがっちり体型、暑がりで体力があり食欲旺盛という特徴があり、中庸タイプは虚証と実証のどちらにも当てはまる要素を持っており、バランスが整っていることから東洋医学の観点からは健康な良い体質ということになります。

3つのタイプごとに違う漢方薬の種類

漢方の分野で抜け毛の原因とされる3タイプには、それぞれ違う薬が処方されますが、いくつか挙げられる薬はそれぞれ虚証・実証など体質の違いによって適したものが違ってくるため、合わない薬を選ばないよう注意が必要です。

漢方薬は効き目が穏やかなぶん、合わないものを飲んだからといって西洋医学の化学薬品ほど強い副作用が出ることはほとんどありませんが、自分の体質に合わないと効果が出ないこともあります。市販の製品を購入する場合、念のため漢方薬に詳しい薬剤師がいる店舗を選ぶほうが安心です。

抜け毛の原因3タイプのうち血虚の人は、血液の不足によって毛髪にコシがなくパサつくなどして元気がなくなっている状態で、冷え性でめまいや立ちくらみを起こしやすく、不眠や不安・緊張などにも悩まされがちです。

抜け毛を防ぐには血液を補ってめぐりを良くする必要があり、当帰芍薬散や婦宝当帰膠などが処方され、血のめぐりを良くする当帰を頭皮環境改善にも役立てます。虚弱体質による体力全般の低下に良いとされる十全大補湯や参茸補血丸などが処方されることもあります。

六味丸が役立つ腎虚タイプの抜け毛対策

抜け毛のほか白髪が目立つなど、実年齢より老けて見える人は腎虚の状態と考えられています。腎は成長や生殖を司るとされ、ホルモンバランスや自律神経、免疫や造血に関係しており、髪とのかかわり合いも深いとされます。

腎虚に陥るとホルモンバランスが乱れ、それに伴って自律神経の調和も崩れることから代謝機能の低下をはじめ、全身に様々な不調があらわれます。六味地黄丸こと六味丸は、腎虚タイプで口の渇きやのぼせがある人の抜け毛対策に良いとされる漢方薬です。

六味丸が適しているのぼせがちの人と違って、身体が冷えやすい人には六味丸の成分に加えて、身体を温める作用を持つ桂皮と附子が入っている八味地黄丸が処方されます。

腎が全体的に弱って体力が低下している人には補中益気湯など、胃腸の働きを助けて体力全般を向上させるタイプの薬が選ばれます。健康な髪や肌をつくるために重要なミネラルの亜鉛が含まれている紅雪冬花や、抜け毛や白髪に良いとされる何首烏が含まれる何首烏末が処方されることもあります。

鉄分不足が引き起こす女性の抜け毛

食生活の改善も重視される湿熱タイプの抜け毛

湿熱タイプの抜け毛に悩まされている人は熱や湿気が滞って頭皮環境を悪化させて、活発過ぎる皮脂分泌によって抜け毛が増えている状態です。

のぼせやすいため発汗も多く、頭皮トラブルのほか化膿しやすいにきびや吹き出物にも悩まされがちですが、比較的体力には恵まれています。過剰な皮脂分泌を招く脂っこい食事が抜け毛やにきびの直接原因になっていることもあり、食生活の改善が抜け毛対策を進める上でも重要になってきます。

湿熱タイプには身体の熱を取って、解毒作用を持った漢方薬が良く、熱や炎症を鎮める黄連解毒湯や顔や身体の火照りを取る瀉火利湿顆粒が処方されます。漢方薬は全般的に即効性がなく長期にわたって服用して、じっくりと体質改善して行くことから、抜け毛以外の効果効能も期待できる面があります。

地道に服用を続けて行く根気が必要な漢方薬治療ですが、ほかの不調も改善できれば一石二鳥です。六味丸や八味地黄丸は、どちらかと言えば抜け毛対策というより、夜間頻尿や排尿困難などの尿トラブルに効く薬として知られています。

腰痛やしびれ、むくみの改善にも役立つとされます。2つの成分が多く入っている八味地黄丸と六味丸の違いは、熱がりか寒がりかが処方の分かれ目となり、どちらかと言えば熱がりの人に処方されるのが六味丸です。